坂本真綾さんは2010年頃から、作詞だけでなく作曲も行うようになりました。
以来、私は「真綾さんて曲づくりもめっちゃセンスあるんじゃない??」と、素人ながらも強く思っています!
ここでは真綾さん自身が作詞・作曲した楽曲をアルバムごとにまとめ、それぞれの曲に対する個人的な思いや感想をつづっていきます~。
坂本真綾が作詞・作曲した歌
アルバム『シンガーソングライター』収録曲
8枚目のアルバム『シンガーソングライター』(2013)収録の10曲。
『シンガーソングライター』は全曲、作詞・作曲:坂本真綾さんです。
このアルバムより以前に発表されていた、真綾さん作詞作曲の「everywhere」「誓い」の2曲を経て、真綾さんのディレクターさんが「これはできる!」と思ったそうで、全曲作詞作曲を手掛けるアルバムを作るに至ったとのこと。
「遠く」
アルバム『シンガーソングライター』はこの曲でスタートします。
頭のコーラス部分からすでにワクワクさせてくれる雰囲気があり、軽快なテンポのAメロに入ってさらにワクワクします!
”時刻通り汽笛鳴らし 近づいてくる振動”
引用:「遠く」lyrics by坂本真綾
↑から始まる歌詞のとおり、汽車に乗っている気分になってくるので不思議です…( ゚Д゚){アレ、ワタシ汽車二乗ッテ…ル?)
これまで軽快に言葉を紡いでいたのが、サビでは「遠く~」と伸ばしながら低めに落ち着いて入って、声を重ねながら徐々に音が上がっていくんですよね。
その意外な展開に驚きました。
これが「遠くを目指す」「遠くへ行きたい」みたいな心情を表現しているのかな、と考えるとおもしろいなぁ~と思ったり♪
「サンシャイン」
続く「サンシャイン」は日常を感じる歌詞に親近感がわきます。
主人公は少しナーバスになっているような描写ですが、曲調は明るめだし「太陽の光を受けて、このユウウツな気持ちを明るくしたい」みたいな気持ちかな、と解釈しました。
「サンシャイン」というタイトルだけど、バチバチに明るい歌ではなく、少しの陰りがあるところに真綾さんらしさを感じます。
特に、太陽が顔を出すときの描写を
”雨は上がって 虹はかかって 風は変わって
街は光って 人は溢れて 鳥は笑って 時は流れて”
引用:「サンシャイン」lyrics by坂本真綾
と書いている部分が好きです~^^
「everywhere(HAL mix)」
「everywhere」は、真綾さんが初めて自身で作詞・作曲した作品!
順番でいうと、オリジナルの「everywhere」はベストアルバム『everywhere』(2010)に先に収録されていますが、『シンガーソングライター』にもリミックスVerで入っています。
ヨーロッパ一人旅の中で思いがけず生まれたというこの曲。
曲の主人公(真綾さんなのかな?)も旅をしていて、自分探しもしているようなんですが、とにかく歌詞がやわらかくて温かい(´;ω;`)
曲が歌詞に本当に合っていて、まさにこの歌詞のためにこの曲があり、この曲のためにこの歌詞があるんじゃないかと思うくらい、ニコイチ感を感じます。
初めての作曲でこんなステキな曲を作れるなんて、「ヤベェ…!ヤベェよ真綾ww!(;゚Д゚)」と震えたものです。
「二コラ」
カントリー風の素朴なサウンド。
”自分の生まれ育った場所しか知らない少女”の目線で、自分と対極にある”旅人”を見つめ、あこがれているような歌詞が印象的です。
ずっと一所にとどまって暮らしている少女と、各地を放浪してきた旅人とのギャップが描かれており、「自分は旅人側には行けない、住む世界が違う」という少女の諦念が感じられて、ちょっと切ないような。。。
合ってるかは定かじゃないですが、主人公の少女は「花売りの二コラちゃん」だと思ってます。
ずっと二コラちゃん目線の歌詞なのに、最後だけ
”花売りは線路に座って その時間を待ってる”
引用:「二コラ」lyrics by坂本真綾
「花売りは」って第三者目線になるところがシビれます!
「Ask.」
”きれいな目をしてる
あなたの沈黙がすき
心が動くとき
ことばの限界を知るの”
引用:「Ask.」lyrics by坂本真綾
この冒頭の部分、「沈黙がすき」とかよく出てくるなぁと感心してしまいます。
心が動いてことばの限界を知ったから「あなた」は沈黙した。
「あなた」の沈黙=心が動いた、何かを強く感じたということ。
その後の歌詞からも、「あなたは何かを感じて決意したのね…答えはもう決まっているのね…」と「私」が察知している様子がうかがえるところが好きです。
こんな関係性、いいなぁ~と思わせてくれます(*´з`)
「なりたい」
前向きで勢いのあるポジティブソング!
みなさんは誕生日がきて、ひとつ年をとることってうれしいですか?
私は誕生日自体はテンション上がりますが、
大人になると「ああ、またひとつ年をとってしまった…( ´Д`)」と、年齢が上がることについてはネガティブに思っちゃいます。
ですが、「なりたい」での真綾さんの歌詞は、年齢を重ねることをすごく前向きにとらえているんです。
むしろ、
「もっと良い自分になってやるぜ!(`・ω・´)」という闘志やチャレンジ精神、さらなるアップデートを目指しています。
これを聴いて「私もそんな風になりたいwww」と感化され、いつも励まされます!
「カミナリ」
タイトルのとおり、雷の鳴る音や雨の降る音が入っていて、とても雰囲気のある曲だと思います。
雷雨は主人公の心情とリンクしているようで、雨の中濡れながらたたずんでいる情景が浮かんできます。
”もっと激しく カミナリもっと強く鳴れ”
引用:「カミナリ」lyrics by坂本真綾
このフレーズは、主人公の孤独や悲しみ、寂しさから叫びだしたいような気持ちを表現していて、最も主張したい部分なんだと解釈しました!
でも不思議と、重すぎず暗すぎず情緒を楽しめる曲だなぁ~と思うんですよね。(';')
「誓い(ssw edition)」
坂本真綾作詞・作曲の2作品目がこちら。
順番でいうと、オリジナルの「誓い」はコンセプトアルバム『Driving in the silence』(2011)に先に収録されていますが、『シンガーソングライター』にも別アレンジで入っています。
東日本大震災の後にできた曲で、その時の経験や感じたこと、考えたことなどが反映された歌詞になっています。
最初、曲ができた背景を知らずに聴いていたので、歌詞の解釈が浅く「いずれは訪れる別れをも覚悟したうえで、それでも共に生きたいんだという深い愛の曲(結婚ソング)」かな~?と思っていました。
ですが、背景を知って改めて聴くと、「そういうことか!」と気づく部分があり、鳥肌ものの衝撃を受けてさらに好きになりました。
真綾さんの楽曲は、好きな曲が多すぎて1番を決められないのですが、中でも「誓い」はトップオブトップに君臨するくらい作詞・作曲ともに大好きな曲です!
「僕の半分」
「半分」というのは、ソウルメイトのようなものを指しているのか。
私にとっては歌詞が少々難解で、「僕」とその半分とされる「君」との関係性について、いろいろ想像をめぐらせました。
結果、ソウルメイトというやつなのかな…?と。
「僕の半分」という言葉のチョイスや、「静かな欠落」という表現もおもしろいなと思います。
私の理解はあいまいですけど、ハッキリ分からなくてもいいや~と思っているので、そのあいまいさを楽しみながらいつも聴いてます♪
「シンガーソングライター」
アルバムと同名の「シンガーソングライター」は、真綾さんが全曲を作詞作曲したこのアルバムを、まさに象徴するような曲ですね^^
音楽に正解なんてないし、小難しいこと考えなくてもOK!
だれにでも奏でられる、私たちにとって身近なものなんだと言ってくれています。(*´з`){ソノトオリダナ~)
音楽と人生を結び付けている点も、真綾さんっぽくて好きなんですよね~♪
それこそ、体揺らしながら一緒に口ずさみたくなる楽しい歌です(‘∀‘)
アルバム『FOLLOW ME UP』収録曲
9枚目アルバム『FOLLOW ME UP』(2015)収録の3曲。
「FOLLOW ME」
アルバムのリード曲「FOLLOW ME」は聴いてすぐ気に入りました!
サウンドが心地よくて、不思議な空間をふわふわと空中遊泳している感覚になると同時に、冒険に行くようなワクワクした気持ちにもなるんですよね~。
歌詞には小文字のfollow meが2回出たあと、大文字のFOLLOW MEが1回登場します。
この違いは何なのか、意図があるのだと思いますが、考えてもいまだによく分かりません。。。
( ;∀;){ナゾダ…)
探しものをしている間(夢か回想なのかな?)がfollow meで、FOLLOW MEの方は現実に立ち返ったみたいな?
あるいは、follow meは「きみ」への呼びかけで、FOLLOW MEは自分で自分に言っているのかな~とか、いろいろ考えちゃいました(笑)
誰かわかる方いれば、ぜひ教えてください!( ´人` )
「これから」
「これから」は、アニメ映画『たまゆら~卒業写真~』の主題歌として書き下ろされました。
作成するにあたり、”泣けるバラード”をオーダーされたそうですが、はっきり言って泣けます!!
学生が卒業して、これから新しい世界へ羽ばたいていくというテーマなので、普遍性もあり共感しやすいんじゃないかと思います。
学生時代の自分を投影することもできますし、大人目線で学生を見守るような立ち位置から浸ることもできますよね。( ´∀`)
”私にはまだわからない
ああ これから それを知るために”
引用:「これから」lyrics by坂本真綾
ここが特に、まだ人生経験の浅い年代をうまく表しているし、さらにこれから成長していく未来を感じさせてくれます!
う~ん、すごく共感できるし、じっくり聴いて歌詞をかみしめるとマジで泣けます!
「アイリス」
私「アイリス」めちゃくちゃ好きなんですよ!
すごくストーリー性があって、自然と情景が浮かんできて。
曲もピアノとコーラスと、ちょっとのドラムとフルート?くらいのシンプルな構成なので、真綾さんの声が際立ちますしメロディが美しい…!
歌詞の清らかで切ない感じに胸がキュッとなります(>_<){キュッ)
「アイリス」を題材にショートムービーとか作れそう。。。いや、むしろ作ってほしいw
ちなみに、アイリスの花言葉は”恋のメッセージ”です。(他にも”希望”や”信じる心”などありますが、これがこの歌にはぴったり!)
コンセプトアルバム『今日だけの音楽』収録曲
コンセプトアルバム『今日だけの音楽』(2019)収録の2曲。
「はじまり」
こちらはアルバムのど頭に流れるインストゥルメント。
以前真綾さんが「はじまり」について、「夢の中で聴いた曲をもう一度思い出したいんだけど、思い出そうとすると邪魔される。はっきりとは思い出せない感じを表現したかった。」というような内容を語っていました。
確かに、全体的にかすんだ感じのサウンドだし、アルバムラストの曲「今日だけの音楽」のメロディの一部が入っているけど弱々しいんですよね。
「そうか!これはおぼろげな記憶をたどりながら、なんとか思い出そうとしているのか。」と真綾さんの意図を知って興奮しました(笑)。
「今日だけの音楽」
上記の通り、「今日だけの音楽」はアルバムラストの曲。
この曲のめちゃくちゃ好きな部分は、以下です。
”もうすぐ夢から醒める
夜明けが明日を連れてくる
二度と会えない今日の私
抱き合ってさよなら”
引用:「今日だけの音楽」lyrics by坂本真綾
ここがすごくドラマチックで、「もっとこの夢を見ていたいのに終わってしまう、いやだ待ってー!」みたいな切ない気持ちになるし、「抱き合ってさよなら~」のフレーズが美しすぎて悶えます!
『今日だけの音楽』というこのアルバムのコンセプトを、この1曲で最後に強烈に印象づけてくれるなぁと、改めて世界観に引き込まれました。
しかも、「はじまり」であいまいだったメロディがここでしっかり聴こえるので、なんかもう歓喜歓喜ですよ。\( ;∀;)/{ヤットオモイダセター♪)
シングルコレクション+『アチコチ』収録曲
「ハロー、ハロー」
28枚目シングルであり、4枚目シングルコレクション+『アチコチ』(2020)に収録されています。
アニメ『あまんちゅ!~あどばんす~』EDテーマ。
高校生の青春や成長を描いている『あまんちゅ!』にぴったりな感じのさわやかでカワイイ曲!
真綾さんいわく、過去の自分から未来の自分に向けてのエールのようなイメージで書いたそうです。
「ハロー、ハロー、ハロー」って3回繰り返すところがキャッチーで、1度聞いたら耳に残りますね~( ´∀`)♪
こんなにも透明感や純粋さ、かわいらしさの詰まった楽曲を作れてしまう真綾さんの引き出しの多さに、舌を巻いてしまいます!
その他
「いつか旅に出る日」
伴奏はシンプルにピアノとコーラスで、真綾さんの声をじっくり聴かせてくれます。
「いつか旅に出る日」の歌詞ってすごくおもしろいと思うんですけど、
1番の歌詞は人類の過去に思いを馳せて、2番では個人目線の未来や可能性を思わせ、最後は宇宙規模で俯瞰して見ている…というように、焦点が変化するところにおもしろみを感じます♪
私たち一人一人の「個」と、過去の歴史やこれまで紡がれてきた生命などの「全」との結びつきを思い起こさせてくれるような深みがありますよね。
希望を感じさせてくれる歌詞なので、「今から始めても遅いかも…」とか「自分にはどうせ無理だ…」とか、ネガティブな気持ちを抱えているときに聴くと、余計に心に染みますね~。
静かにそっと背中を押して自分のことを肯定してくれているような気がして、もう涙ぽろりですよホント(´;ω;`)
ピアノの演奏がこれまたイイんだ…!!
「千里の道」
真綾さんのラジオ『ビタミンM』の放送1000回記念に作られたオリジナル曲。
まず、タイトルかっこいい( ´ω` )
1000回記念だしってことで、タイトルに千って入れるとこ好きです^^
曲調がとっても軽快でポップなので、思わずスキップとかしたくなりますね♪
知らない人の手を取って、巻き込んで一緒にステップ踏みたくなるような、浮かれて楽しみたくなるような雰囲気だなって思いました!
よくやってきたなぁと自分のことも他人のこともねぎらって、肩にポンッて手を置いて「これでいいじゃん♪」って言ってもらってる感じ。。。
もう、好きになるに決まってるww
まとめ
真綾さんの作詞・作曲した歌って、他のプロの作詞家さんや作曲家の方の作品に比べてもまるで遜色ないですよね。
それどころか、一風変わったメロディや得も言われぬような心地いいフレーズを生み出したりと、真綾さん独自のセンスが光っているなと感じます。
(もちろん編曲家さんのお力も大きいと思っていますよ!)
真綾さんを好きなファンとしては、すごく刺さる曲ばかりなので「マジで作曲もしてくれてアリガトウゴザイマス!\(*´▽`*)/」と叫びたいです。
今後もステキな作品が増えていくことを期待してま~す☆